砂と鉄

よく分からない備忘録たち

京都みなみ会館での上映時機材トラブルについて

京都みなみ会館さんで、2021/4/17の15:15から上映の『悪魔のいけにえ』であった機材トラブルについての体験談です。

 

 

経緯

京都みなみ会館に久しぶりに映画鑑賞に訪れました。一度の休館から再度営業を再開してから、初めての鑑賞となります。
かなり遠いので感染症も考えて行くのをやめようかと思っていましたが、交通機関が空いていると噂で聞いたのでガラガラの交通機関を利用して行きました。

音響を特別に調整した『マングラー』『悪魔のいけにえ』をとても楽しみにしており、『マングラー』の鑑賞は無事にできました。(やはり最高なんだよな...)
問題は『悪魔のいけにえ』で起こりました。

ちなみに鑑賞した映画についての、京都みなみ会館さんの公式ページは下記を参照してください。

kyoto-minamikaikan.jp

 

トラブル

タイトルにもある問題があったのは『悪魔のいけにえ』の上映でした。
詳しい日付と時間は以下の通りです。
「2021/4/17 15:15上映」
こちらも上映前に音響を担当された方の説明が聞けて、非常に楽しみだったのですが、次のトラブルが発生しました。

 

上映トラブルの内容

・序盤の場面で大きなノイズが一瞬混じる。
(このときは、音がきれいらしいので、マスターフィルムにあった音でも過去に鑑賞したときに気がつかなかったのかと思いました。一瞬だけだったので、驚いたで済みました。)

・終盤の場面から大きなノイズが混じり続ける。
(どれくらいノイズが続いたかは、わたしが途中で退出したため不明です。)

 

 

以下は、このトラブルがあった上映についてすぐにメモしたものです。(色がついている部分です。)


悪魔のいけにえを見ている途中(サリーたちの家に着くところ)に大きな雑音が入って(こんな音あったか?)と思っていたら、終盤(サリーが連れ戻されるところ)でまた続いて入ってしまっていてあまりの大きさに耐えきれずに退出したら、体の震え、過呼吸気味、涙が出る、他人が一切信頼できない(あまりの怖さに誰も信用できずにその場から動けない)、発声ができないという症状が出てしまい、控室に連れていってもらったけど、水をもらったはいいけれど、そのまま放置されていた。

(※これは鑑賞後に書いたメモです。)

 

※このときの謝罪は「機材トラブルで、すみません」という一通りのものだったと記憶しています。

※「放置されていた」とありますが、わたしが自分の体の異変に対して静かな場所で大人しくしていれば大丈夫だと判断し助けをもとめなかった(誰かを呼んでほしいなどの要求をしなかった)こと、スタッフさん方はトラブルの対応をされていたことが窺えましたので、不満などはありません。対応も可能な限りしていただきました。

※こうした症状が音が原因で出てきたのは、初めてのことで怖かったです。

 

 

ちなみに鳴り始めたノイズの音は、わたしにとっては「咄嗟に耳を塞ぐほどのもの」でした。
耳から手を離すと、キンキンした音となり、何も音を感じられなくなりそうで怖かったです。

 

トラブルによる途中退室と体の異変

劇場で急に鳴り始めた爆音にわたしは両手で耳を塞ぐのに手一杯で、荷物もその場に放置して劇場から抜け出しました。
扉を開けるために耳を離して、扉を開かなければいけないのが本当にいやで、耳から手を離さずにその場で耐え続けるか、劇場から出るかをかなり迷いました。それでも、耳を塞いでもあまりに大きな音で耐えきれずこのまま耳や聴覚が潰れるかもしれないという恐怖で出ました。本当は迷惑にもなるため、上映中の退出はしたくありませんでした。長時間上映の休憩を除き、初めて上映中に入退出をしてしまい、複雑な気持ちです。
(荷物はスタッフさんが取りに行ってくれました。このときの音は、わたしが初めて荷物を置き去りにしてどこかに行くほど、身の危険を感じるものでした。)

その後で上映が再開されたのを見ました(※スタッフさんに鑑賞に戻るか、中断して返金を頼むか聞かれました。どうしても見たかったので、わたしは鑑賞を選びました。)が、終盤で大きい音が出るたびにびくびくしてしまい、(こんな映画鑑賞は初めてだ...)と思いました。
常に恐怖が味わえると思うと最高ですが、大きな音がするたびに怯えて過呼吸になりそうで精神的には最悪ですね。わはは!(笑えない)

 

トラブル後の劇場の対応

その後は上映が一度中断したために配布された招待券はもらいましたが、「なぜ・どういった機材トラブルがあった」、「体調や精神面で問題があった人は〜してください」、といった説明や案内はなかったと思います。(※上映中に機材トラブルで中断したことへの謝罪と、招待券を配布しているのでほしい方は受け取ってくださいという連絡はありました。迅速な判断と対応で、ありがたいです。)
わたしがその場にいるのもいやで、さっさと建物から出てきてしまったため、確認できてはいませんが...
上映作品以外で怖い思いをさせてきた(わたしがしてしまっただけかもしれないですが)場所に長くいたいと、わたしは思えなかったです。

 

 

鑑賞後に考えたこと

鑑賞中も鑑賞後と、わたしが音に敏感すぎるからいけなかったのか、見に行くべきではなかったのかと思ったのですが、京都みなみ会館さんで過去にしていた爆音上映や塚口サンサン劇場さんでの爆音上映、シネコン規模の劇場で見ていても、大きな音で楽しい!と好きだったので、今回の「本来の作品にはない異様な大音量のノイズ」「知っている作品とは異なる音が聞こえる違和感・戸惑い・混乱」が組み合わさった結果、恐怖を感じ、身体にまで症状が出てしまったようです。
今まで、音が出ない、上映が始まらないというトラブルも何度かあったので怒っているわけではないのですが...(何をするにもトラブルはつきものだと考えています。その後の対応についても十分だと感じております。)

何というか映画館に対してわたしが求めているのは、「安心して映画館に没入できる環境」であり、「無防備になって、五感を研ぎ澄ませて作品を楽しめること」だったので、その信頼がなくなったなとしばらく時間が経ったところで言語化できました。
特に「悪魔のいけにえ」は音を楽しんでほしいとも事前に登壇された方から言われていたので、ノイズも(作品にあった音なのかな、作品に入ってしまったノイズでさえも再現したのかな)と、音声に携わった方を疑わずに信頼して思っていた部分がありました。

そうしたいくつかの理由で、

・精神的に無防備な状態で大きなノイズを唐突に聞いてしまった

・普段の上映とは違う音響のため、すぐに異常か分からずにその場に留まってしまった

ために、「危ない状態だ」と感じて体に異変が起こったようです。

 

けれども、自分の身に起こったことと今回のトラブルは可能な限り分けて考えておいて納得をしたいと思いつつ、不満がまったくないわけではありません。

・トラブルが起こったのは仕方がないが、その後はどうするのか

ということです。
こちらに関しては、劇場側から説明もなかったので…
(※2021/4/17、20:40に京都みなみ会館さんのツイッターを確認しましたが、このトラブルについては発信されていませんでした。)

こちらとしては安心して作品を見たいために劇場を信頼しているので、今後は再度起こらないようにする旨の発信、なぜ起こったのかの原因調査、再発防止や対策などがあるとありがたいと思いました。

 

<2021/4/18 追記>

機材トラブルにせよ、身を委ねている環境下でパニックになりかけてしまった出来事で、へたをすれば病院に行く羽目になっていたかもしれないので、何が起こったかの事実の発信、そこでわたしのような体調に異変があったことなどを情報として発信はしてほしいなと思いました。

わたしがもしも、過呼吸で倒れた、パニック状態が収まらなった場合、これから先にこの経験がきっかけで爆音への恐怖心で日常生活に支障があった場合、頼る先はおそらく病院などになるはずです。

そのため、たとえ映画館であり、身の危険が少ない場であっても「こういった出来事があった」と明らかにはしてほしいと思っています。

 

 

参考ページ

京都みなみ会館

kyoto-minamikaikan.jp

 

boid sound映画祭】キング・オブ・カルト特集

kyoto-minamikaikan.jp

 

boid.net

www.boid-s.com