砂と鉄

よく分からない備忘録たち

Xジェンダー・無性愛が病院に行った記録

Xジェンダー・無性愛が病院に行った記録です。

性自認性的指向の話と病院の話を含みます。

同人や趣味に関することで、こうした身体にまつわる話や病院についての事柄を知りたくない方は、閲覧しないでください。

 

※食事中に読む際には一部気分を害する表現がありますので、お気をつけください。

 

 

概要

私は以前書いたように、Xジェンダー・無性愛です。

oxoxoxoxy.hatenablog.com

 

そうした立場でありながら、「以前から生理痛がひどい」ことを「婦人科」に相談しに行った記録です。

 

 

性的マイノリティと婦人科への通院

これは私個人の考えですが、「Xジェンダー・無性愛」であることで婦人科にはとても行きにくかったです。

なぜなら、次の点で不安や苦手な感覚を抱いていたためです。

性的交渉にまつわることを聞かれるのではないか?

場合によっては、性的マイノリティであることを説明しなければいけないのか?

自身の性別は無性・中性(Xジェンダー)なのに、どうして婦人科で「女性である肉体を再確認」しなければならないのか。(私は普段は気にしていませんが、他人から「女性であること」を指摘されること、自身の肉体の性別が女性であることを確かめる行為に違和感があり、好んでしたい・されたいとは思いません。)

それでも、実際に行ってみて分かったことを書いていきます。

 

婦人科で性的交渉にまつわることを聞かれるのではないか?

聞かれることもあるかと思いますが、性的交渉に関係しないと思われる場合(月経困難症、病気の診断)は、初診のアンケートで性的交渉の有無に答える(性病の確認や検査時に必要な情報)ことと、検査時に改めて確認するくらいです。

おそらくですが、必要な場合のみ病院側も尋ねます。その有無や経験自体は、検査や病気の診断のために必要だと思わなかった場合は言いたくない旨を伝えるか、どうして聞いてくるのかと尋ねた方がいいと思います。

ちなみに私は内臓の検査にエコーを使うために、女性器か肛門、どちらもいやなら腹部のエコー(こちらは内臓が見えにくいそうです。)を決めるために、性的交渉の有無について尋ねられました。

検査のためなのでどちらでもいいと思いましたが、相手が気遣ってくれたので肛門を選びました。(選ぶのが面倒だったので医師に従いました。)

 

 

・場合によっては、性的マイノリティであることを説明しなければいけないのか?

性的マイノリティであることに関わる相談でなければ、おそらく話す場面はありません。

私は聞かれなかったうえ、性的自認や性的指向については一切聞かれませんでした。(月経困難症に診断に性的自認や性的指向、性的交渉の経験は必要ない情報だということだと思います。)

ただし、身体の性別と性自認の性が食い違っているため、治療や投薬、検査に対してつらい、怖いと感じる場合は話した方がいいと思います。

 

 

・自身の身体の性別と性自認が異なるのに、病院で違うことを確認せざるを得ない

諦めます。

そもそも、私は病院に行くのがあまり好きではないこと、たとえ検査であっても慣れていない場所で誰かに体を見られることにつかれるので、諦めて病院に行っていることも大きいかもしれません。

どうしてもつらくて必要な検査ができそうにない場合は、まずはカウンセリングを受けて病院紹介をしてもらうなどがいいかもしれません。(してもらえるかは分かりませんが、病院への通院・検査に苦痛が伴う場合は、誰かに相談した方がいいと思います。)

 

 

通院

検査

病院に行って、「月経時に痛みと出血」がひどいと伝えたところ、性的交渉の有無を確認されて内臓のエコー検査時に女性器か肛門を使用するかを聞かれました。

(どうしてもいやな場合は、腹部からエコーをするという検査も可能なようです。ただし、内臓が見にくいため、あまりしたくはないとのことでした。)

私は肛門を選択しましたが、ここは好みや倫理、価値観で決めた方がいいです。他人がどうこうよりも、自身の体への負担・嫌悪感で決めてください。(私は平気だったから、あなたも平気でしょうという短絡的なことはまったく言えないので、自分の許容範囲を病院側に伝えてください。)

検査用の台に座って検査をしますが、カーテンで隠してもらえるので「何かいつもと違って不思議~でも、ちょっと恥ずかしいけど、検査だからな…(諦め)」という感じでしています。

一番いやなのは、肛門に検査用の機器を入れられるときです。普通に痛いうえ、自分で肛門に何かあえて入れる経験がなければしない感覚で、(えっ……う〇ち!? えっ……痛いし、おいおい、おーい! 何これ!? 力抜いてって言われても無理!! う〇ち……したいか、自分の体?)になりました。

体感ですが特に異常も見受けられず、一分ほどもたたずに終わりました。

 

 

診断

月経困難症は病気による場合もあるそうで、病気の場合は治療、そうでない場合は薬などで対処するという選択になります。

私は特に異常がなかったため、薬で対処するという選択にしました。

漢方かピルか、鎮痛剤かという選択があると教えてもらいましたが、漢方は高そうなイメージと命の母を勝手に飲んでみて合わなかったこと、鎮痛剤は年単位でずっと飲んでいるため、低用量ピルにしてみました。最初の1~3ヶ月の間は様子見の期間のため病院に通う必要があります。少し面倒くさい気もしますが、月経というお排泄物クソ面倒な身体のお排泄物クソ仕様がお排泄物クソ嫌いなので(本音)低用量ピルを選択しました。

 

服用する薬に関しては、以下のような公式の情報を確認してください。

betterl.bayer.jp

 

病院側でしっかりと薬の服用時の血栓リスク、副作用、飲み方を説明してもらえます。もしもあまり説明されなかったら、その病院は少し…どうだろう…と思います。処方時にはほとんどの病院で効果と副作用を説明してもらえると思うので…

処方時にも薬局でしっかりと説明してもらえますが、気になることは医師と薬局に聞いた方がいいです。

私は価格や低用量ピルの1シートが持つ期間、副作用、もしも副作用が出た場合の対処を教えてもらいました。

 

<追記>

www.clinicfor.life

こういったオンライン処方などもあるようですが、私の場合は「病院で診察してもらってから、処方してもらう」方法を取りました。

そのため、オンライン処方などの参考にはしないでください。

 

薬の処方

病院側でも処方する薬については説明してもらえますが、さらに薬局で薬を処方してもらうときも説明をしてくれます。

常備薬や他の病院で処方してもらっている薬がある場合は、聞いておくのと安心です。

 

 

通院時にしておくといいこと

お薬手帳

他の病院で処方された薬がある場合には、お薬手帳を作ってもらって病院に行く際には常に持っていって渡すようにしておくと楽です。

とにかく渡しておくことで、処方してもらった薬の記録が残してもらえて、新しく処方される薬との飲み合わせも確認してもらえます。

他に市販薬の常備薬があれば、持っていくのもいいと思います。

 

 

服装

何でもいいです。

ただし検査時に下に穿いているものを着脱するため、楽を優先する場合はゆとりのあるスカート・ワンピースがいいと思います。

ただし、下着を着脱する必要があるため、どんな格好をしていても着替えをするスペースには通してもらえるため、本当になんでもいいです。

 

 
お金

電子マネーやクレジットカードが使えない病院もあるため、ある程度現金を持っていくのをおすすめします。当然かもしれませんが…

 

 

生理周期の記録

カレンダー、手帳、アプリでもなんでもいいので、記録しておくといいです。

月経に関わる相談の場合、必ず聞かれると思います。

個人的にはこちらのアプリがシンプルで、あまり余計なことを言ってこないので使っています。(妊娠を望むことを前提に作られている生理周期管理アプリがあまり好きではないためです。)

Clue 生理管理アプリ, 排卵日予測 & 妊娠カレンダー

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低用量ピルを飲み始めてからの記録

※以下からは血液、出血、生理、痛み、排泄に関する話です。目を通す前にお気をつけください。

 

 

 

一ヶ月

2021年12月の中旬に飲み始めて、約一か月立ちました。
生理は正常の周期にきたのですが、3日ほどでほとんど終わりそうです。
副作用らしいところや毎日同じ時間帯に飲まなければいけないという決まりはありますが、体質に合っていたのか効果があって嬉しいです……

薬を飲み始める以前は、下の表くらいひどかったです。

日数 1日目 2日目~3日目 4日目 5日目~7日目
痛みと出血量 ・鎮痛剤をほとんど必要とするほど下腹部が痛む
・体感半日で夜用の生理用品を使わないと不安な出血量

・出血と痛みがピークに近づき始める
・常に下腹部が鈍痛がある。(ときどき内臓がねじれるような激しい痛み)
・日中の2~3時間で「夜用ナプキン+シンクロフィット」が使えなくなる。(両方の交換が必要になる)
・2~3時間じっと座っていられない。(生理痛と便意による腹痛が強く、座っていられない)
・下痢をする

・出血量が落ち着き始めるも、昼でも夜用の生理用品を使用 ・出血量と痛みが落ち着き始め、昼用の生理用品を使えるようになる
鎮痛剤の量 ・薬を一日で2~3回は飲む ・薬を一日で3回(一日の上限)を飲む ・薬を一日で2~3回は飲む ・薬を一日で1~2回は飲む

 

 

薬を飲み始めてからは次のようになりました。

日数 1日目 2日目 3日目
痛みと出血量 ・頭と下腹部が痛む
・出血は、日中の3~4時間で「昼用ナプキン+シンクロフィット」で収まる。(シンクロフィットの交換で済む範囲)
・下腹部が痛む
・出血は、日中の2~3時間で「夜用ナプキン+シンクロフィット」で収まる。(シンクロフィットの交換で済む範囲)
・痛みなし
・昼用の生理用品で一日を過ごせる。(シンクロフィットなし)
鎮痛剤の量 ・薬を一日で2回は飲む ・薬を一日で1回は飲む ・薬の服用なし

生理前から1日目にかけて頭痛がありましたが、薬と生理が原因なのかは分かりません。
1日目は薬が飲む前のような痛みがありましたが、体を動かしていると忘れているくらいのもので、以前のように「じっとしていても、動いても痛む」「体を温めても、水分を多めに摂ってもどうにもならない」「薬を早めに飲まないとずっと痛い」といったひどい痛みは減りました。

まだ様子見の期間かつ、体質に合っているのか分かっていないうえ、わたし自身でも続けるのかはまだ考え中ですが、一ヶ月服用してこのように効果が出る場合もあるのだという一例として参考になると幸いです。

 

 

二ヶ月

薬を飲み続けていますが、二ヶ月目は生理がありませんでした。

生理がないとめちゃくちゃ楽~~~!!!!!!!と分かりました。

心の底から生理はクソゴミカカスの人体仕様!!と改めて思いました。

二ヶ月服用してこのように効果が出る場合もあるのだという一例として参考になると幸いです。

私はこのまま続けていく予定ですが、最初の三ヶ月は副作用のリスクを考えて処方してもらうため病院への通院も必要となるのが面倒大変だな…という点がありました。

そのうえ、体質に合わない場合があることや副作用のリスク、同じ時間帯に毎日服用を続けるのはなかなか「試してみようかな」とするにはハードルが高いなと感じます。

 

 

三ヶ月

薬を飲み続けて三ヶ月目は出血がありました。

二日ほど飲み忘れた日があったこと、普段飲んでいる時間帯から数時間外れる日が数日あったのが原因かもしれません。

今回は以下のような形となりました。

日数 1日目 2日目 3~4日目 5日目 6~7日目
痛みと出血量 ・頭と下腹部が痛む
・出血は、日中の3~4時間で「夜用ナプキン+シンクロフィット」で収まる。(シンクロフィットの交換で済む範囲)
・下腹部が痛む
・出血は、日中の2~3時間で「夜用ナプキン+シンクロフィット」で収まる。(シンクロフィットの交換で済む範囲)
・痛みなし
・2日目とほぼ同じ出血量
・痛みなし
・「昼用ナプキン+シンクロフィット」で収まる。(シンクロフィットの交換で済む範囲)
・痛みなし
・「昼用ナプキン」で収まる。
鎮痛剤の量 ・薬を一日で2回は飲む ・薬を一日で1回は飲む ・薬の服用なし ・薬の服用なし ・薬の服用なし

体感としては、薬を飲む前よりはずっと楽になりました。

特に出血量がひどく、お手洗いに行けない状況や、睡眠時への心配を薬を飲む前はしていましたが、薬を飲み始めてからはこういった心配はほぼなくなりました。

痛みについても、薬を飲む前は「痛みが出ている? 痛みがつらくなる前に飲まないと、痛くなってからでは効かないから…飲むか」で一日の上限分の鎮痛剤を数時間おき(鎮痛剤を服用する最低限の間隔)に飲んでいました。

それが、薬を飲み始めてからは「だんだんと痛みが強くなってきたな…そんなにひどくはないけど、不快だから飲もう」くらいに余裕になりました。

薬を飲む前は痛みの上限が高く、急激に痛くなる場合も多かったイメージが、薬を飲み始めて以降は痛みの上限が低くなり、ゆるやかに痛みが強くなっているように思います。特に、内臓がねじれるような急激な痛みはほとんど感じなくなっています。

 

 

まとめ

現時点(2021/12~2022/3)では、低用量ピルの処方は「病院での診察」→「低用量ピル1シートの処方」→「病院での診察と体調の確認(2)」→「低用量ピル1シートの処方」→「病院での診察と体調の確認(3)」→「低用量ピル1シートの処方」→「病院での診察と体調の確認(4)」→「低用量ピル3シートの処方」…を繰り返すようになっています。

デメリットとしては、

・婦人科での診断が必要

・体質に合わない場合、薬の変更などで数か月単位の時間が掛かる場合がある

・診察費と薬代が掛かる

・定期的かつ同じ時間帯に薬を飲む必要がある(規則的な習慣を覚える必要がある)

といったところです。

メリットは生理が軽くなる、生理周期が安定するといったところですが、これは個人差があるためデメリットを含めて考慮してみると、「生理がつらくて、病気の疑いを含めて病院で相談する」のはおすすめできますが、診察や薬の服用に掛かる負担が大きいため「万人にはおすすめ」はできないと思いました。

しかし、ここ「薬の服用で、今まで嫌だったことが改善されて楽になった」パターンの人もいるという一つの例としてこの記録を読んで参考にしていただけると幸いです。