2022年に鑑賞した映画の記録です。感想などです。
2022年は映画は控えようと思っていたのですが、劇場で鑑賞した作品と配信などで見た作品を合わせて合計200本ほど見ていました。
以下は鑑賞した作品の中で、特に印象が強い作品です。
余裕があるときに、他の作品も追記するかもしれません。
印象に残った作品
「レイジング・ファイア」
去年に引き続きやっぱり見ました。
香港アクション映画って最高……!と2022年を始められたため最高でした。
「里見八犬伝(1983)」
「魔界転生」を見たときも思ったのですが、監督の耽美で魔訶不可思議な世界観がめちゃくちゃ好きだなと改めて気がつきました。
特に美しい存在への耽美な描き方とはちゃめちゃにテンポのいいアクションと展開がとても好きです。
「未来世紀ブラジル」
あまりハッピーエンドではないSF作品が好みなのですが、この作品は因果応報と皮肉がきいていて好きです。
「マニアックドライバー」
令和に見られるどこか昭和風(平成初期)なフェチ映画です。
これが令和に見られるのはある意味でいい時代だと思いますが……(名作かと言われるとよく分からないです。)
「シークレット・マツシタ 怨霊屋敷」
パワー型の幽霊の強さとときどき出てくる日本テイストが好きです。
扉を閉めてくる怪奇現象は正直見飽きましたが、扉や窓などを物理的に閉ざしてくる幽霊は初めてだったので楽しかったです!
あと容赦なく呪い殺してくるところも最高です。
「アンテベラム」
最悪最恐の人種差別と「現実にいるかもしれない、こういう人種差別主義者……」という妙になまなましい描写と伏線がすごかったです。
本格ミステリ並みの展開と主人公の強さとホラーのいいところをしっかりと魅せてくれるすごい作品です。
「マリグナント 狂暴な悪夢」
ホラーですが、アクションがめちゃくちゃによすぎてアクションシーンで感動しました。
ホラー部分もしっかり見せてくれるためホラーとアクションが一度に楽しめて最高です!
「再開の奈良」
私はときどき孤独とは何か、個人と集団、社会と文化、民族、言語、アイデンティティ、生死、戦争、憎悪についてぼんやり考えていることがあるのですが、この作品はどこにもなじめない気持ちがするのにどこかに帰りたくなる雰囲気がすごかったです。
終盤から泣いて見ていました。(私は故郷、望郷、孤独、帰属意識、境界などがテーマの作品が好きだなと思います。)
「ひとくず ディレクターズカット版」
見ようと思っていたのに見れなかった作品をなんとか見れました。
自分の中でネグレクトや虐待の場面が好き(好きというか、家庭の形として見ていて最も安心する)だと思っているのですが、きっと作品の中では救いがほしいのだろうなと考えながらこういった作品を見ています。
個人的にはとても好きです。
「真・事故物件/本当に怖い住人たち」
事故物件に関する書籍も多い最近の流行りに乗った低予算ホラー映画か~?と調子に乗っていたのですが、見終わった後に「最高最高最高!!!」になりました。
四肢切断、人体解体、内臓、パンチをくらわしてくる幽霊!もうどれをとっても最高な作品です。
「ザ・フォッグ」
めちゃくちゃに面白すぎてすごかったです。
「ゼイリブ」なども見ましたがジョン・カーペンター監督の作品って好きかもしれない…(遅すぎ)になりました。
「ハングリー 湖畔の謝肉祭」
2022年一番のクソホラー映画です。
クソすぎて逆に面白くなってくる気もしますが、「死霊の盆踊り」並みに面白くないため苦行です。
個人的には映画館で見ても演出のSEが小さすぎてアクションなどに爽快感がなさすぎる点を推します。(クソ映画ポイントとして高得点のためです。SEが小さい映画は初めて見ました)
「テレビで会えない芸人」
松本ヒロさんのライブを見たことがあったので映画も見ました。
ライブもめちゃくちゃ面白くて笑ったのですが、こうしたライブに至るまでの活動や動機、どういった考えがあるのかを知られてよかったです。
「ユンヒヘ」
好きすぎて後半ではすごく泣いていました。
見られてよかったです。
「ニトラム/NITRAM」
この世への閉塞感、退屈をどうすればいいのか分からないもどかしさ、いらつき、不快感が濃縮されていて、吐き気と寂しさと失望感がすごい作品です。
ただ、私も一歩間違えばこうした人生や選択をしていた可能性があるため、見ていて辛くなりつつも共感して見ていました。
「オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険」
旅っていいなあ!!!になりました。
辛い出来事もあったのに楽しそうに旅をする二人が素敵でした。
「親愛なる同志たちへ」
戦争が始まってから見たロシア映画ですが、体制側のぞっとする恐ろしい歴史とその隙間で息を潜めるようにしながらも生き残った人々の尊さ(尊さというか、生き残ったことは単なる事実ではあるものの神などの存在を信じてしまいたくなる神秘性?)、思想でも絶ちきれない親子のつながりを見た気になりました。
「少林寺 4Kリマスター版」
何回見ても笑うし、アクセル全開の展開とスピード感が本当に好きです。
「殺しましたね!」でトロフィー解放されるところで笑います。
「KKKをぶっ飛ばせ!」
低予算ながらにも「スプラッタ映画をやりたい!」という意気込みが素晴らしい作品です。
「さがす」
面白すぎて鑑賞時間が短く感じました。
個人的な趣味ですが、実際にあった事件などを調べていくことが好きなため今まで調べていた知識で物語の背景を理解しながら見ていたのですが、人間の業は深いというか、本当におぞましいなと改めてぞっとしながら見ていました。
「生きててよかった」
アクションがすごいうえに、生死と楽しさをテーマに最後まで走りぬく爽快感がすごくて「スカイ・クロラ」を読んだときのような高揚感を味わいました。(めちゃくちゃすごい作品を知ると、どういった作品であれ「すごい!!!!」とテンションが上がります。)
「きさらぎ駅」
某匿名掲示板発祥の怪談をテーマにした低予算ホラー映画か~?と調子に乗ってみたのですが、あまりにも面白すぎて最高!!!!!になりました。
アクション映画でも類を見ないほど異界に適応して暴力を振るってきさらぎ駅を攻略していてく主人公の強さと、最後に回収される伏線が本当に最高です。
「ニューオーダー」
半端なホラー映画や政治色の強い映画よりもずっと怖くて、本当に恐ろしく陰鬱な気持ちになれる最高の作品でした。
「スープとイデオロギー」
家族(集団)と文化(社会)、戦争とイデオロギーなどを考えるのが好きですが、この作品で国や戦争、イデオロギーで生み出された感情や惨劇は、憎しみと恐怖を生みながらも愛情を人に抱かせて、こうした感情は複雑に絡み合いつつも同時に成り立って人を苦しめるものなのかもしれないと思いました。
苦しみと救いを苦くも、美しく描いた作品のような気がしました。
私が最高に好きな要素があるな…と思いつつも、「それは……だめだろ!」と倫理が訴えてきました。
人の憎悪と愛情が好きだなと改めて思います。
「哭悲/THE SADNESS」
「マルケータ・ラザロヴァ―」
最後の祈りの場面が特に好きです。
「セルビアンフィルム 4Kリマスター完全版」
倫理をぎりぎり限界まで試したような作品でした。
最後まで悪意がたくさん詰め込まれており、私は最高に好きですが「最高最悪最高最悪最高最悪」が延々と続く気分になりました。
「Blue Island 憂鬱之島」
エンドクレジットのアンノウンになっている人名の多さと、おそらく逮捕されたであろう人を示すマークの多さにぞっとしました。
いつの世も押し潰されがちなのは無辜の人々なのかと絶望感と、まだこういう作品が出るなら希望があるかもしれないと思います。
「アドレノクロム」
陰謀論をいろいろ匂わせるドラッグムービーです。
陰謀論によってぐちゃぐちゃになった世界観に浸れるすごい作品です。
(ある程度陰謀論の知識があるとなおさら楽しめますが、陰謀論の知識は入れない方が人としては正しい気もします。)
「女神の継承」
考察が捗る系のホラー映画ですが、最後が怖すぎて笑顔になりました。
「インファナル・アフェア」シリーズ
2022年もなぜか見ていました。
やっぱり何回見ても最高!!!
「Green Bullet(グリーンバレット)」
最高アクションと仲良くなっていく殺し屋見習いたちが可愛すぎて最高です!
「さかなのこ」
面白すぎて本当にすごかったのですが、エンドクレジットで原作者本人がいろいろなところで関わっていて本編でも、エンドクレジットでも「さかなのこって……なにもの…???」になります。
「ブロークン・ジェネレーション」
最悪の「ブック・スマート」といった作品ですが、私は青春がこうやってぐちゃぐちゃになっていく方が好みだなと笑顔で見ていました。
(「ブック・スマート」は面白かったのですが、あまり好みではありません。)
「八甲田山」
往年の名作ですが、本当に寒そうで怖くてすごかったです。
「秘密の森の、その向こう」
一度見たときに最後でなぜか泣いてしまい、理由が分からなかったためにもう一度見ました。二回目に見たときもすごく泣いてしまいましたが、どうして泣いたのかはいまだに分かっておらず、とにかく作品が琴線に響いたのだと思っています。
「バビ・ヤール」
この時期になぜか虐殺と戦争(民族と憎悪、文化とナショナリズム、殺戮と感情、といったこと)に興味があったため鑑賞しました。
ドキュメンタリーや記録映像が好きなのは、淡々と人間のおぞましさを映してくれるからかもしれないと思いました。
「七人楽隊」
香港映画ってやっぱり好きだなと思いながら見ました。見られてよかったです。
「オカムロさん」
勢いとアクションがすごすぎるホラー映画です。
最高すぎて本当に好きです。
「ファーストミッション」
劇場での鑑賞は難しいかと思っていたため、見られて本当よかったです。
「パラレル・マザーズ」
複雑な人間模様と葛藤、社会問題、人の生き方が絡みつつも許し、助け合い、最後には歴史を含めて生きていく主人公たちの姿が見られてよかったです。
すごい作品ですごかったです。
「未来惑星ザルドス」
人間から死を取ったとしたならば?という仮定を極めたような作品で、見ていてぞっとしながらも興味深く最後まで見られました。
コメディと皮肉、SF的な思考問題(哲学?)のバランスがすごかったです。
「ヴィ―ガンズ・ハム」
人肉を食べる映画ってやっぱり最高~~~!!!にさせてくれるハッピーな映画です。
「藍宇 〜情熱の嵐〜」
すごく好みだったのですが、耽美すぎて鑑賞中に(見ていいのか?)と思いました。
あともう少し優しくしてあげて……になります。
「マッドゴッド」
今年見た中でも狂気が際立っている作品で最高です。
「犯罪都市 THE ROUNDUP」
前作からテンポとアクションに振り切り、めちゃくちゃ好みになった作品で最高に楽しく見ました。
「恋人のディスクール」
推しの向佐さんが出るために見た作品ですが、話全体の雰囲気や展開の作りがうますぎて、群像劇としてずっと面白くてすごかったです。
あと向佐さんがかっこよすぎて記憶が飛ぶかと思いました。
「真・事故物件2 全滅」
前作にさらにパワーアップさせて無茶苦茶に面白くなっています。
前作ヒロインが復活しながらも「なんだ~~?!この腕??!!」と一瞬で人を殺める場面はあまりにも強すぎて笑いました。なんなんだよ、この面白すぎる映画は……
振り返ってみて
最近になって「低予算B級ホラー映画が好きかもしれない…」「私はドキュメンタリーが好きなのか?」という傾向に気がつき始めたため、低予算ホラー映画とドキュメンタリーを見ることが増えました。
この推測は自分の好みにあっていたようで、今年は見終わった後に「自分が自分にとって好きそうな作品を選べました~~!!!今回見た映画も最高です!!」となることが多かったです。
また陰鬱な映画や前衛芸術よりの映画を意識して見てみましたが、自分の好みにあっているみたいで楽しかったです。
あと暗い気分になりたいというか、人間の陰鬱な部分、絶望、失望といったことがやはり好きらしいのでこれからも見ていきたいです。
予算がすごくありそうなシネコンで上映される映画はある意味できれいすぎる気がして(きれいすぎると書いていますが、大衆受けのために作品のテーマや伝えたい事柄を最大公約数みたいに表現していて私にはあまり突き刺さらないことが多い傾向です。)あまり見ませんでした。
しかし、流行の映画を追うのではなく、自分が好きな作品を選んで見られるかどうか、自分がどういった作品を楽しめるかといった感性をどう広げてみるか(広くするのか、深くするのか、別の見方を探してみるかなど)を主にこれからも楽しみたいです。
しかし、2022年はダイエットをしてみたり、3億年ぶりくらいに本を読んだりと、映画鑑賞以外のことをしてみて「楽しい~~~!!!(あるいは、辛い~~~……)」となっていたので自分が可能な限り楽しむのを目標にいろいろしていきたいです。