2022年に鑑賞した映画の記録です。感想などです。
特に印象に残った映画について書いています。
『カンフースタントマン 龍虎武師』
推しが出るうえに、好きな香港映画のドキュメンタリーで最高です。
アクション映画への熱量のすごさ、スタントをこなす方々の苦労、活躍が難しい環境など、いろいろ考えさせられました。
『終末の探偵』
少し気になったので見てみたら、しっかりした物語に社会問題が関わってきており、すごい作品だ…! と感動しました。
またアクション監督や一部登場人物が『ベイビーわるきゅーれ』に携わっているとエンドクレジットで知り、「どこかで見た雰囲気がしたのはこれか」と気がついてびっくりしました。
『チョコレートな人々』
こういう社会問題をぼんやりとしか知らなかったため見ましたが、支援するにはお金が必要で、綺麗ごとだけではお金は得られずに支援をする方は継続できないという現実を知り、支援をしたい気持ちだけではなくビジネスとして継続してお金を得られる流れを作ることの重要性などについて考えるきっかけになりました。
(福祉や支援にお金が最も重要とは思わないのですが、お金がないと立ち行かなくなってしまうし、お金があればお金で大概の問題は解決できる手段が増えて支援を続けられる可能性が上がるため、やはりお金の問題抜きでやる気や熱意みたいな理想だけで支援を考えるのは持続不可能な自己満足なのかな…など考えていました。)
すごくおもしろかったのですが、「そのセキュリティどうなの…?」と少し思わなくもなかったりしつつ、ある種族の終わる物語が切なくも美しくてとても好きです。
あと敵がコブラのことを好きすぎないか? と見ていました。
『キラーカブトガニ』
人を殺すようになったカブトガニをテーマにしたモンスターパニック映画かと思いきや、まさかの超巨大カブトガニvsサメロボットの戦いになるとは思っておらずめちゃくちゃ笑いながら見ていました。
青春、ホラー、スプラッタ、笑い、テンポ、キャラクターすべてが最高の映画です。
『戦慄のリンク』
作中で恐怖の事件が少しずつつながっていき、だんだんと謎が解けていくのが最高でした。
トリックも近年の技術の発達を背景にすると、「ありうるかも…」と思うくらいには筋が通っていて面白かったです。ホラーの演出も髑髏を何度も出すのがお洒落で怖くて好きです。
ただ元凶が「同人サークルで他人に激重感情を抱いて暴走し、迷惑行為をしたサークルクラッシャー」かつ「サークルクラッシャ―の親」で、つまり同人トラブルに親が出てきたのか…という点でもぞっとしました。
『シャドウプレイ』
すごい重厚なサスペンスで最高でした。DVって本当に最悪…と思うくらい暴力描写と各登場人物の苦悩が生々しく、そういったリアリティに妥協しないところが好きです。
(ある人物の作っていた個人サイトで「〇〇の××」と中国語にひらがな「の」が入っていることに、lofterとかでよく見るけどこういう感じなのか…と思いました。)
劇場で二回目の鑑賞でしたが、一回目の感動とは少し違って「感動はするけど、各人物の激重感情と暴力性が怖い。戦争と死は怖い」と感じました。
一回目は混乱していて感じられなかった自分の感覚に気が付けて面白かったです。
『新生ロシア1991』
インターネットが一般に普及はしていない時代のある大きな転換期のドキュメンタリーです。
時代が変わるときはこういう雰囲気なのかと思いながら見ていましたが、最後にロシアという国の恐ろしさを感じました。(どこの国、地域でも何かしら恐ろしく、表に出したくない歴史はあるのでしょうが。)
『ベネデッタ』
人の信仰の美しさ、教養、承認欲求、同性愛、そういうものがすごい勢いで描かれていて本当にすごかったです。
何をもって信仰とするのか、どういった信仰が美しいのか、何を信じるのか、何が正しくて、何が正しくなくて汚らわしいのか、とにかくそういうことを考えていました。
『コンパートメントNo.6』
出会いが最悪すぎる二人のぎこちなくも、相手を大切にしたいけれど少し恥ずかしくて正面からは伝えられないもどかしさと優しい友情や愛情(友人愛に近い?)を感じました。
最後に雪の降り積もった各地を回る主人公二人を、私はとても美しいと感じました。
『変態村』
とにかくすごかった作品です。
最後の最後の悲鳴が怖すぎて、もう元には戻れないんだ…とぞっとしました。
『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』
3.11が起こったときから気にしていた事故(事故と書いていいのか分かりませんが…人災が正しいのかもしれません。)の裁判のドキュメンタリーです。
自分は無知で知らなかったのですが、2023年になってようやく裁判は事実を解明するためにも重要な場とこの作品で知りました。
こういった事態は本当は起きてはならなかったことで、起きたとしても何が原因で起きたのか公正に判断できる清廉潔白な人々が組織を作っていればこの裁判にもならなかったのにと思いました。
本当に…辛い…でも、こうして事実が公になってよかったです。
またこの作品に使われた映像は「これが学校側の言い分か??!!!」と怒りが湧きましたが、比較的「見るに耐えられる部分」を使ったと知って、この言い訳、言い逃れしてばかりの会見に向き合った人々を考えると辛くなります。
あと誹謗中傷を被害者遺族の方々にするとか…本当に…どうして…?と思いますが、そういった人々を距離のある場所から一部の情報だけ知ってしまったら他の文脈などを想像で補って、自分の正義心が気持ちよくなるために『物語』を頭の中で作ってしまうのかな…と考えたりしていました。
(本人に聞いたり、誹謗中傷をした人の傾向など調べないと分かりませんが、こういうことについてもどんどん関心が広がって、誹謗中傷が減ってほしいと思います。)
『デスNS』
ありがちなデスゲームものか? と思いましたが、「これは実はフェイクで仕組まれているのでは?」というストーリーが意外で、確かにSNSは気をつけた方がいいと考えさせられる真面目な内容でよかったです。
デスゲームのはらはら感と「ん? これは?」となるフラグの回収のバランスがすごかったです。
『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
アクション映画オタクの私が歓喜!!!!!
最高!!!!!!!!!!!!!
『三茶のポルターガイスト』
こっくりさんに頼り過ぎでは?(こっくりさんをやったことがありますが、一度も動いたことがないためいいな~、私もこっくりさんが動くのを生でみたいな~と見ていました。) と思いつつも、再現映像と各専門家に超常現象を見てもらう流れが心霊現象検証としてはきっちりしていて最高です。
オカルトについては懐疑派のため、こうやって検証してオカルトに向き合うのが大好きです。
『映画 忍たま乱太郎(1996)』
全体の流れがわちゃわちゃしつつもしっかりしていて今見てもマジで面白いうえに、最後のエンドクレジットが盆踊りで「古のあれだ!!!」とテンションが上がりまくりました。
『ダーク・グラス』
ダリオ・アルジェント監督の作品が今見られる!!!!
はい、最高です。
恐怖の表現がやはり好きですが、犯人の動機が分からないこと、執拗に追いかけてくるのが最高でした。
『妖獣奇譚/忍者VSシャーク』
低予算ホラーでは? と思ってみていたら、本当に『忍者VSシャーク』ですごかったです。
アクションもすごいし、敵の女忍者は策士なうえにストーカーの才能がありすぎて敵としてヤバすぎて最高です。
『BAD CITY』
園村監督のアクションが最高すぎて、本当に最高でした。
『マネーボーイズ』
愛と因果というか、人間の感情や時の流れは複雑だな…物悲しいかもしれないけれど、どうしようもないのかもしれない、と思いました。
『私、オルガ・へプナロヴァー』
静かな映画ですが、積もりに積もった鬱憤や鬱屈としたどうにもならない感情が弾けてしまったような、生々しい恐怖を感じました。
『ディア・ピョンヤン』『愛しきソナ』
『スープとイデオロギー』を見てからずっと見たかったドキュメンタリーでしたが、偶然にも見られました。
どちらも家族と思想って何なんだろう(切り離して考えられるほど家族を個人として割り切れないし、思想がどうであれ家族は家族として過ごしていた時間があって…)、と考えていました。
『コロニアの子供たち』
私は「集団」の善性をあまり信じていないのですが、こういう集団があるからなのでは? と思いました。
集団で抑え込まれて逆らえない恐怖、おぞましさ、暴力、そういったものが本当にすさまじかったです。
『世界で戦うフィルムたち』
すごいドキュメンタリーです。監督の体力がすごい…何でもしている、何でもし過ぎていてお体が心配になりました。
『先生!口裂け女です!』
最高アクション青春もの!!!!
マジで最高でした。好き。
『劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100』
面白すぎるモキュメンタリーで、「こんなに面白いうえに完成度が高すぎて、世界が大丈夫ですか? ホラーのハードルが上がり過ぎてしまう」と思いました。
ホラー部分も怖いのですが、社会人の都合で「これ以上出張したくない、どうにか日程の都合がつかないか」と電話をしているシーンなどところどころで社会人の世知辛さが出ているのも怖くて笑いました。
普通なら映さない社会人の苦労があるせいか、モキュメンタリーの中でもリアリティがぶっちぎって高いです。
『オオカミの家』
とにかくアニメーションがすごい!!!!!!
『“敵”の子どもたち』
テロリストになった子どもが産んだ孫を保護しに行く祖父のドキュメンタリーですが、「人って…難しい~~~~!!! 諦めずに絶望しない方が大変だ」と本当に思いました。
個人の話にすると単純ですが、国や政治、宗教が関わると本当に難しいうえに、単なる宗教の話でも文脈では「テロリストの思想に染まっている?」とも捉えられてしまうのが悲しくも、自分もそう感じてしまい、教育や思想って何なのだろうかとつい考えてしまいました。
『6月0日 アイヒマンが処刑された日』
自分にとっては歴史観がぐっと変わるくらいすごい作品でした。
『PARALLEL』
めちゃくちゃにすごすぎて、本当に最高でした。
『ヨーロッパ新世紀』
人種、差別、言語、とにかく入り乱れていて、人間って愚かなのか…? と絶望的になりました。(ただ人間が集団をつくるうえで、他人と区別をつけるために人種などの区別をする機能が発生したとするのであれば、こういう問題は発達した人間の抱える病なのかもしれないと感じます。)
複数の言語が使われるため、字幕が色分けされているのが新鮮でしたが、「ここはこの言語を使っているか」と分かってよかったです。
『リゾートバイト』
マジで面白すぎて本当に最高です。
『沈黙の自叙伝』
こんなことが政治であってほしくない、そういう出来事と主人公が権力への魅力に気がついていってしまう流れがおぞましくも「間近で見ていたら、権力が魅力的に見えるかもしれない」と納得ができてしまうほど肉薄した表現がすごかったです。
『ガザ 素顔の日常』『愛国の告白 -沈黙を破る・Part2-』
辛かったのですが、見てよかった作品です。
『JFK/新証言 知られざる陰謀』
面白すぎてあっという間に終わった作品です。
こうしてしっかり検証していって曖昧なものを排除して残った事実から推測される「どうして、何が起こったか」が分かったときは、感動します。
『ある精肉店のはなし』
ずっと見たかったドキュメンタリーだったため、見られてよかったです。
ある家族の歴史と地域の歴史、生きている生き物の命を奪って肉を食べることと生活すること、そういった普段知らないで生きていることを知られてよかったです。
『アダミアニ 祈りの谷』
初めてパンキシ渓谷を知りましたが、あまりにもいろいろなものが美しくて感動しました。
いつかこの作品で見た場所に行ってみたいと心の底から思いました。
『VORTEX ヴォルテックス』
人が老いて、どうにもならなくなっていって私もこうなっていくのだろうかと思いつつ、最後の最後に祈りながら死に行く姿は美しく、どうであれ世界は変わっていくのだと死とは何なのだろうと考えました。
他にも印象的だった作品などはありますが、一旦ここまでとします。
時間があれば追記などします。